東京組曲 e.p.

ほたる日和 東京組曲 e.p.歌詞
1.深い森

作詞:早川厚史
作曲:早川厚史

何もできない僕だけど 出来ることは必ずある
あきらめないで探す意味は きっとある
躓いたり凹んだり はずれくじばかりの日々にも
ヒントはいつも隠れているはず

覚束ない足で 始まった僕の旅路は
手製の地図しかないけれど 行くのさ

深い森の中で まだ見えない光に
手探りでゆっくりでも 近づいて行けたら
限りある時間の中で いつかめぐり逢う
その時を信じてるから 荒れた道のりも歩いてゆける

絵本や童話にあるような わかりやすいハッピーエンド
そんなものはどこにもないこと わかってる
小さなころから数えたら どれだけ裏切られただろう
そのたび強くはなったけれど…

褪せてゆく世界 はがれ落ちる夢の色たち
それでも僕は“希望の旗”を振りかざす

街を飾り立てる 偽者の光に
騙されてばっかりでも 気持ちは折れずに
僕らは作られた この街の真ん中で
作りモノなんかではない 本物の光を探してる

生きてゆく以上 心に傷は絶えない
今日だって擦り傷ひとつ
それでも僕は 草をかき分け 行くのさ

命は続いて この世界は続いて
終わりを迎えるまでは あきらめることはない
僕らは作られた 情景の影に埋もれた
作りモノなんかではない 本物の光が見たい

深い森の中で きっといつかめぐり逢う
その光を信じてるから 荒れた道のりも歩いてゆく

引き返せない 深い森の中へ


2.東京組曲

作詞:早川厚史
作曲:早川厚史

あの頃君と話した夢の続きを見るために…

中央改札をぬけて いつもの帰り道
今日も何もないままに 終わっていきます
半ば慣れてきてる 自分が嫌になります
僕は何のために 東京へ来たんだろう

今夜は星がきれい オリオン座が見えます
君がいて僕がいた 故郷の空のようです
ガードレールに座って ぼんやり眺めてたら
涙がこぼれてきました

夢を追い駆けていたつもりだけど
気付けば現実に追われるだけの日々になっていた

東京は花吹雪舞う夢舞台 今でもそう信じている
凍てついた冬の風 花は咲きそうにないけど
拝啓:挫けそうになった時には 君の声を思いだしてます
どんな時もそばにいてくれた 君のその声を

思いだす白樺並木 遠き冬の落陽
お互いの秘密ごと 打ち明けた通学路
君にならどんなことも 話せるような気がした
初めてそう思えたひと

東京に行くことを 僕が決めた時も
一番の理解者でいてくれたのは そう君でした

「頑張れ」と泣きながら君がくれたエール 旅立ちの朝にくれた言葉
消えないように 痩せないように 何度でも心に描く
拝啓:あれからずいぶん経ちますが 僕は何とか「頑張って」います
どんな時も応援してくれた 君の声を抱いて

今日もこの街から どれだけの夢たちが 光を失ってしまったのだろう
そしてどれだけの夢たちが 光を手に入れたのだろう…

冬枯れたこの都会の片隅にも ほらあの星座は輝いてる
君と隣り合わせでよく見てた あのオリオン座の光

東京は花吹雪舞う夢舞台 迷いもなく信じている
今はまだ冬の風 花は咲きそうにないけど
拝啓:いつの日か夢叶えたとき 君に最初に会いに行きます
どんな時もそばにいてくれた君へと 最高の笑顔連れて行くから


3.古き良きもの

作詞:早川厚史
作曲:早川厚史

古き良きもの 褪せてゆく定め
刷新されし 風はどこも似て
古き良きもの その趣きを忘れ
うつりにけりな 儚き世の肖像

忙しなく流れる人影は 澱みなく時代を作り出す
そんなにも急いでいずこへ 向かっているのでしょう

輝ける僕らの明日には
どんな風景が広がっているの
懐かしきあの場所たちや
古き良きものたちよ 消えないで

おぼろげな月 今宵も無常を詠う
花は散りぬる 春の風に朦朧

自分にとっての思い出の場所も
或る人が見たらただの古い場所
それぞれに持つ価値観の色 分かち合えぬ歯痒さよ

失われゆく大切なもの
それを哀しむ人々のこと
語り部はこの時代絵画を
どんな言葉で 継いでゆくのでしょう

所詮は僕ら小さきもの
大河に浮かぶ一艘の小舟
抗えぬ波の狭間で ひっそりと呼吸をしてる
それでも人は 守りたいものがある
心の果てで 呼びつづけるものがある

輝ける僕らの明日には
どんな風景が広がっているの
懐かしきあの場所たちや
古き良きものたちよ消えないで

幼きころに手を引かれて
幾度も歩いたあの街並みも
胸の宿り木の様な
古き良きものたちよ
とこしえに消えないで


4.snow dance(Re-Recording ver.)

作詞:早川厚史
作曲:早川厚史

君の肩舞い降りたのは 一片の綿雪でした
大袈裟なブザーが鳴って 冬の始まり
さっき見た恋愛映画 ヒロインの素振り真似して
「似てるでしょう」息を弾ませ 君は歩きだす

クラクション イルミネーション はしゃいで遊ぶ君
ワクワクするような予感 その瞬間に 流れ星が見えた

悴んだ手を握って白銀に紛れ込む
雪の降る町にふたりの恋物語
冬空は光る波 輝きを増すばかり
僕らもそれに倣って 笑い声を重ねるのだ

赤い糸はあるのかもなぁ 馬鹿なこと浮かべてるけど
口にするそんな勇気は 僕にありません

リップスティック 唇にスリップ 悪戯に尖らせる
ドキドキするような仕草 心奪って 真冬に咲く花火

マフラーをくるり巻いて 温もりを確かめる
雪の降る町にふたりの恋物語
宵空は光る波 宝石の雨あられ
見惚れてる君の頬に そっとキスをしてみせるのだ

街路樹と絡み合う 木枯らしとコラボして
僕たちのリズムなら 響き合い踊りだす
開かれる世界 冬のパレード 瞬いて始まる

悴んだ手を握って白銀に紛れ込む
雪の降る町にふたりの恋物語
冬空は光る波 輝きを増すばかり
僕らもそれに倣って 笑い声を重ねるのだ

張り上げるのだ
重ねるのだ
張り上げるのだ


5.可憐なひとへ

作詞:早川厚史
作曲:早川厚史

可憐に咲いたあなたの笑顔 僕の青春をやさしく染めた
ずっと好きでした 想いのすべて 最後にどうか 知ってほしくて

下駄箱に手紙を入れて 校庭の 隅っこで待っていた
こんな昭和レトロなやり方 今どき僕だけかな
あなたには“好きな人”がいる 何となく見ていたらわかるもの
それが僕ではないって事は 恐らく間違いないだろう

無駄な告白かもしれない そんな事はよくわかってる
“身の程知らずな奴”と後ろ指さされてもいい

可憐に咲いたあなたの笑顔 それが他人のための笑顔でも
ずっと好きでした 想いのすべて 最後にどうか 知ってほしくて

まず最初に何から話そう 自己紹介は 省いても良いのかな
好きになったその経緯だとか 余計なこと言いそうだな

告白なんて初めてで セオリーも段取りもわかってない
降りしきる花のしぐれに チャイムの音が混ざって

茜色に染まりゆく校舎 あなたがいた三年の面影
ずっと好きでした 不器用な想い 受け取ってくれたらいいな

あなたが現れないことを 願う勇気のない自分と
やっぱり現れて欲しいと 願うもうひとりの自分と
苦しい胸で 見上げた春空
滲む世界に あなたが立っていた

可憐に咲いたあなたの笑顔 僕の青春を照らしてくれた
ずっと好きでした 込み上げるもの 気付かれぬように隠して

可憐に咲いたあなたの笑顔 僕の青春をやさしく染めた
ずっと好きでした あなたのすべて 最後にどうか 知ってほしくて


6.あやめ(Re-Recording ver.)

作詞:早川厚史
作曲:早川厚史

いつもの場所で待っていてと 君の今日で最後の台詞
呆気なく巣立ちの日は来て 僕らは世界に抛られた
君は四月から 東京の人になる
希望に胸を膨らませ 眩しいほどに

振り返らずに歩む道 君よ輝かしくあれ
大好きだった笑顔も 変わらずに 変わらずに
これから先の「いつも」には どんな景色が待つだろう
頑張る君の背中に 暖かな陽だまりを

片方ずつのイヤフォンで 二人聴いていたあのミュージック
教えたのは僕だったよね ずっとその胸に残ればいい
実はねえ、一度だけ 夢を持ってる君を
恨めしく思う時があったのだよ

勇気をくれた君の瞳に けして恥じないように
人より少し遅れても あきらめない あきらめない
まだ何ひとつ見えないけど やりたいこと見つけるよ
何かを見つけたときには 一番に伝えるから

伝えるから……

どこにいても同じだよ いつも想っているよ
僕は心の味方だよ ひとりでも 孤独じゃない

振り返らずに歩む道 君よ輝かしくあれ
東京の空くじけても あの歌を思い出して
一度信じた檜舞台 大丈夫、迷わず進め
僕には見えるんだ未来が 君の笑顔のピースサイン
これから先の「いつか」には どんな景色を描くだろう
自由な色のクレヨンで 思うまま塗り潰して

大好きだった君へと どうかいつも 暖かな陽だまりを